【2026年版】障害福祉サービス事業所の指定申請 実務ガイド|サビ管・人員基準を行政書士向けに
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【2026年版】障害福祉サービス事業所の指定申請 実務ガイド|サビ管・人員基準を行政書士向けに

2026年8月16日21分で読める

この記事の結論

障害福祉サービス事業所の指定申請は社労士法別表第一に含まれず行政書士が明確に担える業務で、サービス管理責任者の実務経験・研修・配置基準の充足確認が受任実務の中心になります。指定権者は都道府県(政令指定都市・中核市は市長)で、生活介護など日中活動系はサビ管60対1、共同生活援助は30対1が配置の目安です。指定は6年ごとの更新、変更は変更日から10日以内の届出が必要で、受任前にサビ管要件と法人格・定款の目的を確認しておけば差し戻しを大きく減らせます。

障害福祉分野は事業所数が伸び続け、開業希望の法人から「指定申請を代行してほしい」という相談が行政書士に多く寄せられています。一方で介護保険分野は業際の解釈が分かれる領域があり、どこまで受任してよいのか迷う先生も少なくありません。

この記事では、障害者総合支援法に基づく指定申請が行政書士の明確な業務領域である理由を整理したうえで、指定権者・サービス種別の確認、人員基準(とくにサビ管)の受任前チェック、必要書類と差し戻し回避、指定後の変更届・更新までを一気通貫で解説します。受任判断から書類準備までの実務フローを、自社整理の早見表とともに示します。

障害福祉サービスの指定と行政書士の業務領域

障害福祉サービス事業を行うには、事業所ごとに都道府県知事等の指定を受ける必要があります。この指定申請書類の作成・提出代行は、行政書士が官公署に提出する書類の作成として担える業務です。とくに障害者総合支援法に基づく手続は社会保険労務士法の別表第一に列挙されていないため、行政書士の明確な業務領域だと整理できます。

一方で、介護保険法に基づく申請書作成は業際にグレーゾーンがあります。別表第一に非列挙で行政書士が広く受任している実務がある一方、解釈が分かれる点もあるため、案内の際は「行政書士が広く受任している実務」と位置づけ、断定的な説明は避けるのが安全です。

障害福祉サービスの指定申請における行政書士の業務領域と、社労士・司法書士・税理士との線引きを示した図
障害福祉サービスの指定申請における行政書士の業務領域と、社労士・司法書士・税理士との線引きを示した図

他士業との線引きを最初に共有する

受任時に押さえたいのは業際です。開業支援では周辺業務の相談も飛んできますが、次の領域は他士業の独占業務なので踏み込みません。助成金の申請代行や労働社会保険の手続は社会保険労務士の独占業務であり、行政書士が請け負う表現はしません。法人設立の登記は司法書士、税務申告は税理士へつなぎます。障害者総合支援法の指定申請そのものに集中し、周辺は連携先を明示することで、顧客にも安心感を与えられます。行政書士が扱える業務範囲の全体像は行政書士の業務分野ガイドでも整理しています。

指定権者とサービス種別を最初に確認する

障害福祉サービスの指定権者は都道府県知事です。ただし政令指定都市・中核市では市長が指定権者となるため、事業所の所在地によって申請先・様式・手引きが変わります。同じ都道府県内でも市によって提出先が異なる点を、受任時に必ず確認します。

出典: 沖縄県「障害者総合支援法に基づく指定更新・指定変更」

サービス種別も早い段階で特定します。生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型といった日中活動系と、共同生活援助(グループホーム)では人員配置や設備基準が異なります。どのサービスで開業するかによって、そろえる書類も準備期間も変わるため、初回相談で種別と定員をヒアリングしておきます。

指定権者が都道府県か政令指定都市・中核市かで申請先が分かれる流れと、主なサービス種別を並べた図
指定権者が都道府県か政令指定都市・中核市かで申請先が分かれる流れと、主なサービス種別を並べた図

人員基準の肝:サビ管の実務経験・研修・配置基準

障害福祉の指定申請で最大の関門になるのがサービス管理責任者(サビ管)の要件です。サビ管は一定の実務経験を積み、基礎研修・実践研修を修了していることが求められます。受任前にこの充足を確認できていないと、後から人員基準を満たせず申請が止まります。

出典: 厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」

配置基準はサービス種別で異なります。生活介護や就労系などの日中活動系は利用者60人に1人以上、共同生活援助(グループホーム)は利用者30人に1人以上が目安です。定員設計と採用計画を、この配置基準から逆算して詰めていきます。

サービス種別別 サビ管配置早見表(自社整理)

以下は配置の目安を自社で整理した早見表です。定員や地域の運用によって細部が変わるため、確定は所轄の最新の手引きで行ってください。

サービス種別サビ管配置の目安
生活介護・自立訓練利用者60人に1人以上
就労移行支援・就労継続支援A型/B型利用者60人に1人以上
共同生活援助(グループホーム)利用者30人に1人以上
児童発達支援・放課後等デイ児童発達支援管理責任者を各自治体の最新の手引きで要確認
サービス種別ごとのサビ管配置基準(60対1・30対1)を比較したマトリクス図
サービス種別ごとのサビ管配置基準(60対1・30対1)を比較したマトリクス図

サビ管要件充足の受任前確認フロー(自社整理)

サビ管の要件は「実務経験年数」「研修修了状況」「実際に配置できるか」の3点で見ます。次の順で確認すると、受任可否をその場で判断しやすくなります。

  1. 実務経験:候補者の相談支援・直接支援の年数が要件を満たすか(従事分野で必要年数が変わる)
  2. 研修:基礎研修・実践研修の修了状況、未修了なら受講見込みの時期
  3. 配置:開業予定日にその人がフルで配置できるか(掛け持ち・みなし配置の可否)

この3点のいずれかが欠ける場合は、採用・研修受講のスケジュールを先に固めてから申請準備に入ると、途中で止まりません。要件の確定は前掲の厚生労働省の研修制度資料と所轄の手引きで行います。

設備・運営基準と法人要件の受任時チェック

サビ管の目処が立ったら、設備・運営基準と法人要件を確認します。指定を受けるには、人員・設備・運営の各基準を満たすことが省令で定められています。

出典: 厚生労働省令第171号(指定基準)

法人要件も見落とせません。障害福祉サービスの指定は法人であることが前提で、定款の事業目的に当該サービスを行う旨の記載が必要です。目的欄に該当文言がない場合は、定款変更(必要に応じて登記)を先に済ませます。この登記は司法書士の領域なので連携先へつなぎ、行政書士は定款目的の確認と手続の段取りを担います。

設備面では、事業所の面積・区画・消防関係の確認が必要です。消防設備の設置・点検は消防設備士の領域であり、行政書士は消防同意・使用に関する確認事項を整理する立場にとどめます。物件契約前に基準適合の見込みを確認しておくと、契約後に「基準を満たせない物件だった」という事故を防げます。

法人格・定款目的・設備・消防といった受任時チェック項目を並べたチェックリスト図
法人格・定款目的・設備・消防といった受任時チェック項目を並べたチェックリスト図

必要書類と差し戻し回避

指定申請では、指定申請書に加えて多数の添付書類が必要です。代表的なものは、法人の登記事項証明書と定款、事業所の平面図と設備・備品一覧、サビ管や従業者の資格証・実務経験証明書・研修修了証、運営規程、勤務形態一覧表、収支予算書などです。自治体によって様式・部数・添付要件が細かく異なるため、必ず所轄の最新の手引きで確認します。

差し戻しの典型は、勤務形態一覧表と資格証・研修修了証の内容が食い違うケース、平面図と設備基準が合っていないケース、運営規程の記載事項が省令の要求と欠けているケースです。提出前に、人員配置・資格・設備の三者が矛盾なくそろっているかを突合するチェックが有効です。

事業所ごとに書類の版が増えていくため、案件・書類・提出期限を一元管理しておくと差し戻し対応も速くなります。案件と顧客情報を整理する仕組みは行政書士向け顧客管理ソフトの選び方行政書士の業務効率化ガイドも参考になります。

指定後の変更届10日・6年更新への導線

指定は取って終わりではありません。事業所名称・所在地・管理者・サビ管・定員などに変更が生じたときは、変更届の提出が必要です。障害福祉サービスの変更届は、変更があった日から10日以内が期限とされています。

出典: 大阪府「変更届について」

さらに、障害福祉サービスの指定は6年ごとに更新が必要です(障害者総合支援法第41条)。更新を失念すると指定の効力が切れ、事業継続に支障が出ます。

出典: 大阪市「指定更新申請」e-Gov 障害者総合支援法

この「変更届10日」「6年更新」を確実に回すには、期限管理の仕組みが欠かせません。事業所ごとの更新期限や変更事由の発生を見落とさない体制を作ると、顧問契約による継続的な受任にもつながります。期限管理の考え方は許認可の期限管理の方法許認可更新リマインドの仕組み化で詳しく整理しています。

指定取得後の変更届10日以内・6年更新のサイクルと、期限管理から顧問契約につながる導線を示した図
指定取得後の変更届10日以内・6年更新のサイクルと、期限管理から顧問契約につながる導線を示した図

まとめ

  • 障害者総合支援法の指定申請は社労士法別表第一に非該当で、行政書士の明確な業務領域である
  • 助成金・労働社会保険は社労士、登記は司法書士、税務は税理士へ線引きし、指定申請に純化する
  • 指定権者は都道府県(政令指定都市・中核市は市長)で、所在地により申請先・様式が変わる
  • 受任の肝はサビ管の実務経験・研修・配置基準(日中活動系60対1・GH30対1)の充足確認
  • 指定後は変更届10日以内・6年更新の期限管理が継続受任の起点になる

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よくある質問

Q1. 障害福祉サービスの指定申請は行政書士が受任できますか。

A. できます。障害者総合支援法に基づく指定申請は社会保険労務士法の別表第一に列挙されていないため、行政書士が官公署提出書類の作成として担える明確な業務領域です。ただし助成金の申請代行や労働社会保険の手続は社労士の独占業務なので、これらは請け負わず切り分けて案内します。

Q2. サービス管理責任者にはどのような要件がありますか。

A. 一定の実務経験に加え、基礎研修・実践研修の修了が求められ、サービス種別ごとに配置基準(日中活動系は利用者60人に1人以上、共同生活援助は30人に1人以上が目安)があります。詳細は所轄の手引きと厚生労働省の研修制度資料で確認してください(出典: 厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」)。

Q3. 指定を受けた後の手続きにはどのようなものがありますか。

A. 事業所名称・管理者・サビ管・定員などの変更時は、変更日から10日以内に変更届が必要です(出典: 大阪府「変更届について」)。また指定は6年ごとの更新が必要です(出典: 大阪市「指定更新申請」)。

Q4. 児童発達支援や放課後等デイの申請も同じ流れですか。

A. 大枠の考え方は近いものの、人員基準(児童発達支援管理責任者の配置など)や設備基準が異なります。指定権者や自治体によって運用も分かれるため、種別ごとに各自治体の最新の手引きで要確認としてください。

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